銘菓の装い

ホーム > 銘菓の装い ケンピ No.187

霜ばしら

「堅い」が身上

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西川屋老舗の初代が考案したという 「ケンピ」は、小麦粉と砂糖を水で練り、細く切って焼き上げた菓子である。その特徴は、とにもかくにも堅いこと。歯が立たないとは、この菓子のことだ。
 ところが口に入れ、唾液に触れさせてから噛みしめると、「ケンピ」は豪快にくだける。そして、豊かな小麦の香りと素朴な甘さがあふれ出す。
 だから、軟らかい菓子が全盛の昨今でも「ケンピ」の人気は不動。高知の銘菓といえば、第一にこの頑固にして明快な菓子の名が挙がるのだ。
 土佐の男は「いごっそう」、頑固で強情だとはよく言われることだが、菓子もまた、その気風を映す。そして、12代を継いできた当主が、店の原点ともいうべきこの菓子の命である小麦の香りを嗅ぐところから、店の1日が始まるのである。

包装のデザインは初代・才兵衛の情熱と、南国土佐の風土をイメージした鮮やかな赤色が印象的だ。 「西川屋」の字は、元禄元年創建の旧本店の看板から。ユニークな「ケンピ」の字は先代が発想したもの。

西川屋老舗

高知県高知市知寄町1−7−2
TEL 088(882)1734


慶長6年(1601)に土佐に入国した山内一豊公のもと御用商人として仕え、
素麺や麩、菓子などを扱ってきた。初代の名を代々受け継いで12代になる。